読書

『あと少し、もう少し』 駅伝気分を味わおう

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瀬尾まいこさんの『あと少し、もう少し』。中学生駅伝の話です。

駅伝を題材にしているけれど、描かれているのは人間模様。
中学生だって、こんなにいろんなことを考えて生きているんだなあ。
私が中学生の時、こんな風に周りのことがみえてただろうか。
周りの人は私のことを、彼女がああいう行動をとるのは、○○だからだ、みたいな分析をしていたのだろうか。

昔から、「周りのことをすごくよく見ている」と言われることが多かったけれど、実は私は何もみていなかったのかも?
そんなことを考えながら読みました。

小学生の時いじめられっこだった少年が、駅伝で自分の居場所を見つける。
まさかの小学生の時から煙草をすっていた不良少年も、駅伝に参加することで仲間を見つけ、中学生らしさを手に入れる。
他の少年たちも、人に話せない秘密や問題を抱えている。
みんな何かを抱えながら、生きる方向を探してもがいている。
子供だけではなく大人だって。

突然陸上部の顧問になった上原先生。
右も左もわからない役立たずだったけれど、彼女なりに良いところもある。彼女にしかできないこともある。

そう、この作品は「誰にだって価値がある」っていうことを書いているのかも。
誰だってきらりと光るものを持っているんですよね。

作品の登場人物たちはみんな、自分のことばかりではなく、周囲の様子を見て、社会とつながって、自分以外の者を認めています。
ひねくれてる子もいるけれど、基本みんな素直でやさしい。
人を思いやる心ってすごいな。

面白いけれどちょっとできすぎてる?

駅伝なんて私には縁のない世界だけれど、読書を通じて走る気分を体感するのもいいですね。
走りたいとは思いませんけれど(笑)

ところで今日は8月9日。長崎に原爆が落とされた日です。
その一日前の長崎を描いた小説を見つけました。
いずれ読んでみたいと思います。

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