本でも宝塚でもなく、映画の話です。
宝塚市が誇る映画館、売布神社のシネピピアで「シアター・プノンペン」というカンボジア映画を見てきました。
思いがけず素晴らしい映画だったのでご紹介します。
売布での上映は今日が最後だったけれど、まだ上映するところもあるようだし、機会があったらぜひ見てほしい映画です。
映画のストーリーはこんな感じ。
現代を生きる主人公の女子大生は、偶然廃墟になった映画館で古い映画に出会う。
カンボジアではポルポト政権下、ほとんどの映画が処分され、脚本家や俳優の多くが処刑されてしまった。
そのため、昔の映画はとても貴重。
彼女が見た映画に映っていたのはなんと若き日の母親。
母の過去を知り、映画館のオーナーにお願いをしてその映画を見せてもらったところ、ラストシーンの映像が失われていた。
そこで、彼女は母に代わりラストシーンを撮影することを決意。
昔その映画の監督をしていたというオーナーとともに映画作りを始める。
撮影を進めていく過程で、母親の過去、父親の過去、監督の真実の姿など、様々な真実と出会う。
完成した映画のラストシーンは…。
もっと平凡なラストを想像していたので、なかなか意外でした。
いいラストシーンだったな。
映画を見て感じた疑問。
カンボジアでは、今でもそんなに女性の地位が低いの?
男は黄金、女は使い捨てって言ってたけれど。
そして軍人なら、人の家の入口壊したり、殴ったり、多少の手荒なことは許されると。
民間人がピストルを持っているのは本当?映画の中だけの世界?
私が3度の旅行でみたカンボジアとはちょっと違う気がしました。
もっと人間が素朴でおだやかで、誰もが一生懸命生きている国だなというのが私の印象。
でも、私は所詮旅人だしな。
この映画を見たら、カンボジアなんて絶対行きたくない!!って思う人多そう。
クメールルージュが支配していた4年弱で人口の1/4が殺された国。
それも遠い過去の話ではなく、40年ほど前の出来事。
首都プノンペンに住んでいた人は家を追われ、地方で強制労働。
告発、再教育。結婚は国が決めた相手と。
中国と似てる。
『ワイルド・スワン』とか、『大地の子』の世界そっくり。
自然が豊かで、綺麗な場所がいっぱいあるのに、その下には血塗られた歴史があると思うとかなしい。
人間って本当に愚か。
元女優だった主人公の母を演じているのは、なんとクメールルージュ時代を生き残った唯一の女優さん。
カンボジアの歴史って日本では目にすることがないから、この映画結構貴重なんじゃないかしら。
夏の旅行で見たばかりのプノンペンの街の風景に出会えたのもうれしかったです。
機会があればぜひご覧あれ。
帰りに宝塚駅についてみると、阪急電車手塚治虫号に出会いました。
端から端まで歩いて全部見てきました。