読書

立原正秋著『冬の旅』

投稿日:2016年6月26日 更新日:

先日の紫陽花を見に行った際のこと。
見渡す限りのパステルの世界に魅了され、景色に酔いしれていると、足元に意識が向かず思い切りこけました。
いたたたた。泥にまみれた手には擦り傷。
そのとき一番に浮かんだのは、『冬の旅』の行助のこと。

あ、ここから一番ラストのネタバレになります。

主人公の行助が、切り傷が元で破傷風にかかって高熱を出し、「血清はまだかー」ってところで物語が終わるんですよね。
傷っていうといつもこの場面を思い出します。
って、いきなりラストだけ話してしまいましたね。

『冬の旅』との出会いは中学生の時。
夏休みの宿題の読書感想文を書くために読みました。
頭脳明晰・冷静沈着な高校生の行助が、義兄との関係によるトラブルで少年院に送られます。
そこで出会った少年たちは、罪をおかしてはいるけれど、外の世界にいる子たちと何もかわらない普通の少年ばかり。
素朴で純粋な面を持ち、優しい心もある。
ちょっとしたことがきっかけで犯罪者になってしまったこの子たちと、社会に適応して普通に暮らしている子供たち。
この差はどこにあるんだろうか、と色々考えさせられます。
多感な年代に読むのにふさわしい小説だと思います。

立原正秋の小説は、とにかく描写が美しいんです。
10月の夕暮れに樹から葉っぱが落ちていく。その様をこんな風に表現します。

樹木から一枚いちまい葉が剥がれて行く十一月のしずかな暮方

憧れますよね。私もこういう文章が書いてみたい。
今なら、こんな感じですか?

空からのしずくが葉をぬらし、おだやかなパステルの花を咲かせる紫陽花の季節

うわ!はずかしい。まだまだ修行が足りません。

自分でブログを書き始めると、表現力の拙さをひしひしと感じます。
どうやったらこんな文章が書けるようになるのかな。
好きな小説家の本を一冊丸写しするという方法もあるみたいですね。
私がするとすれば谷崎潤一郎かな。『細雪』一冊丸ごとなんてとても無理ですけれど。
どこか一か所を選んでやってみようかしら。

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