読書

1/4理解できていない『オービタル・クラウド』

投稿日:2016年10月9日 更新日:

本の話です。
1万円選書に入っていた藤井太洋著『オービタル・クラウド』。面白いけれど難解でした。
最初の1/4位が苦行。それを乗り越えるとなかなか面白い作品です。

宇宙を題材にした小説。
オービタルは軌道、クラウドは雲の意味。タイトルを見ただけではどんな話か全く想像がつかない。
表紙の写真を見て、宇宙の話なんだなって想像できる程度。
一万円選書に入っていなければ、自分で選ぶことはまずありえない本です。
ハヤカワ文庫って多分初めて買ったんじゃないかな。手持ちのブックカバーに入れようと思ったら、なんと入らない。
分厚いからではなく、普通の文庫よりもちょっとだけ背が高いから。
知らなかったなあ。

物語は2015年のテヘランから始まります。
この人たちは何者なのか、実験ってこれは何をしてるの?イスラム国とかそんな話?どういう意図があるの??
本の中に書かれてもいない様々なことを勝手に想像して、勝手に混乱する私。
いきなりこの冒頭の9ページから抜け出せなくなる・・・
素直に読めば、ここでつまづくことはなかっただろうに。
おかげで読み進めるのにかなり時間がかかりました。

その9ページの後、舞台はいきなり2020年の日本へと飛びます。
場所は個人事業主が共同で利用しているシェアオフィス。それぞれが異なる仕事をしているけれど、意見交換が活発で、相互に仕事の依頼をしたりして、無関係だけれどどこか仲間意識も持てる空間。
そこに主人公となる男性と、コンピューターのプロの女性がいます。

ここでの会話がまた難しくて・・・全然ついていけない。
先まで読むと、ここの細かいことは理解できなくても問題ないってことがわかるんですけれどね。
このあたりで読むのをやめようかと、本気で思ってしまいました。

ここから更にコロラドスプリングスやらどこかの島やらシアトルやらと舞台が変わる。
登場人物も増えてくるし、その前のテヘランや日本の話も気になるしで、パニック。
サンタクロースがいったいどうしたっていうんだー!!って。

次第に全容が見えてくるとどんどん面白くなってきて、下巻にはいったらだんだん止まらなくなってきます。
なるほどなるほど、たくさんの伏線があって、それがようやく一つにつながってくるんだな。
能力ある人っていうのはどこに行っても使えるもんなんだね。
私も何か特別な技能が欲しかったなあ。

昨日ご紹介した『漂砂のうたう』に引き続き、考えさせられるところのある小説ですね。1万円選書の岩田店長は、そういう観点の作品を中心に選んでくださったのかしら?

この本は私にはちょっともったいなかったかなあ。もっときちんとわかる人が読めば、ずっと興味深い小説に感じられるだろうに。
いつかもっと賢くなったら(そんな日がくるのか?)読み直してみよう。

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