読書

心に沁みる小説『みをつくし料理帖』

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現在テレビドラマも放送されている『みをつくし料理帖』シリーズ。一気読みしました。

ひとつひとつ細部にまで心が行き届いていて、じんわり心に沁みこんでいく物語。
読み終わってしまったのが惜しい!もっと澪ちゃんと一緒にいたかった。つる家をはじめとした澪ちゃんを取り巻く人々ともっと一緒にいろんな経験をしたかった。そう思える小説でした。


物語は料理人の澪ちゃんと、澪ちゃんのおさななじみのあさひ太夫こと野江ちゃんを中心に、彼女たちを取り巻く人々の物語で構成されています。

水害で両親を亡くした澪、全てを失った野江。澪を引き取り、料理人として育ててくれた、ご寮さんをはじめとする天満一兆庵の人々。つる家のあるじ種市、ふきちゃん、おりょうさん、りうさん、又次さん。そして御膳奉行の小野寺様と源斉先生。ほかにもたくさんの登場人物がいて、一人ひとりの人生がしっかりと描かれています。

登場人物がみんなあたたかくて、いちいち素敵で、こんなひとたちばかりなら世の中どんなに住みやすいだろう、なんて想像してしまいます。

さまざまな過去や苦しみを背負って今を生きる人々から、たくさんの勇気やエネルギーをもらいました。

そして小説の軸となっている数々の料理。あれも食べたい、これも食べたい!!と食欲がわいてきます。関西人の私にとっては、澪が作る大阪の料理は身近なものばかり。澪と一緒になって、関東の食材や調理法についての驚きを味わうことができました。

昔の大阪ことばも大好きです。特に女性がつかう言葉はやわらかくて、ご寮さん、いとさん、こいさんといった呼び方の響きも素敵ですね。大阪ことばというより、船場ことばといったほうが良いでしょうか。谷崎潤一郎作品でも描かれている話し方ですね。
「忖度」が何度も出てくるのにはちょっと笑ってしまいましたが。

一年って、こんなにもいろんなことが起こるものなんですね。ぼーっと過ごしてちゃいけないな。一日一日を大事にしなければと、身の引き締まる思いです。

途中から読む手が止まらなくなって、毎日寝不足。私のお気に入り小説リストに加わりました。

1つだけ不満があるとすれば、ラストができすぎていて・・。太夫のラストはもうちょっと平凡でも良かったのになあ。

澪ちゃん、野江ちゃんのその後の暮らしがすごく気になります。最終巻の巻末にはその後を描いた特別巻を予定があるようですが、いつ発売されるんでしょうね。今読みたいのに!!

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