阿弖流為感想第3弾!
観劇から一晩が経ち、65点は言い過ぎたか、75点位にしておくべきだったかと悩んでいるしろたえです。
いやいや、やっぱりその時感じた素直な感想って大事ですよね(笑)やっぱり点数はこのままにしておこう。
ストーリーについての感想
第一幕
LEDパネルが面白いですね。
登場人物の紹介や岩手の地図をみせる使い方が斬新。とっても分かりやすい。
まこっちゃんが敵と戦うシーンは、以前も書いた通り『REON IN BUDOKAN』みたいですね。
馬で飛良手を追いかける場面は、涼風真世さんの『ベルサイユのばら』を思い出しました。
火矢を射かける場面も、映像じゃなきゃみせられない演出で、興味深かったです。
全体のことを言うと、熱いしがんばっているのは分かるけれど、イマイチ伝わってくるものが少ない。
すっごい力入ってるのにもったいないな。
蝦夷がなぜ朝廷から人として扱われず虐げられているのか。それによって人々がどれだけの苦労をしてきているのか。
そもそも朝廷はなぜ蝦夷を攻撃するのか。
蝦夷たちが朝廷のことをどう思っているのか、朝廷側は蝦夷をどう思っているのか。
ストーリーの基礎となる部分。
ここがいまいち明確じゃない。
描かれていないわけではないけれど、割とさ~~~~っと流れて行っちゃった感じがします。1幕でもっと膨らましてほしかった。
壱城さんの場面で全てをごまかされてしまったようにも感じます。
っていうか今回の舞台では、なぜ朝廷は蝦夷に攻撃を加えているんでしたっけ?
桓武天皇は蝦夷のことはどうでもいいって言ってましたけど・・・・。
歴史で説明すると「金」ですよね。
あー、夏樹れいさんが「こがねは私のところに持って来い」って言ってたから、やっぱり目当ては金なのか。っていうかこがねって最初「小金」だと思って意味が解らなかった(+_+)。
第二幕
幕開きの歌が好き!!フィナーレでも歌われていた曲ですね。
のびのび広々青空が広がるイメージです。
で、内容。
あちこちですすり泣きが聞こえる中、双眼鏡投げそうになっていた私。
裏切りの作戦!そうじゃないだろう!!!!!歯がゆい!!って。
その前の阿弖流為と母礼の二人だけの場面でもうちょっと説明を加えるとかさ!今のままでは何が何だか。
阿弖流為と母礼2人だけで立ち向かう!みたいなことを話したはずなのに、戦いの場面でみんな一緒にいる疑問とか、諸絞が顔を焼いた理由とか、なんとなく想像できるけどはっきりとわからないところが歯がゆい。
そう、1幕の菟穂名の死も同様。突然すぎて、どうやって死んだのかが明確じゃなくて混乱。ひとこと佳奈が「兵士に立ち向かって切られた」とか「蝦夷の誇りを守ろうとして町の人に襲われた」とか言ってくれればわかるのに。
裏切りは小説の中でもかなり面白いところだし、諸絞のことも衝撃的なエピソードなのに・・・。
中途半端にしないで、しっかり描くかバッサリ切り捨てるかしてほしかったな。
最後の戦いの場面があまりにも短く、あまりにもあっさりと降伏してしまったのも物足りない。
他を削っても、見せる所は見せてくれないと!!
阿弖流為の死後の場面長すぎるし。
あれで一気に田村麻呂のスター度が上がった(笑)
どうすればもっと心に伝わる作品になるのだろうか
ポイントは2つ。
蝦夷は朝廷と戦いたいわけじゃない。
目指しているのは平和な暮らし。ただそれだけ。
一方朝廷は東北でとれる金が、のどから手が出るほど欲しい。
これが1つ。
もう一つは、阿弖流為たち各地の長が手を取り合って朝廷軍に立ち向かう、仲間の強い絆。
どうせ2時間で原作を全て盛り込むことはできないのだから、要点をしぼるべきなんですよね。
たとえば蝦夷の集まりの場で、それぞれの役割を明確にする。
「われらの頭脳は母礼。」「弓は飛良手だな」「伊佐西古はなんだ?」「そしてわれらの大将は阿弖流為だ!!」
とか。
最後に降伏するところも、ちゃんと理由を説明してくれればなあ・・・・
佳奈と阿弖流為の場面と、阿弖流為が死んだあとと、フィナーレをちょっとずつ削って、ストーリーを充実させてほしかった。
ああ、だんだん私がわがままなだけな気がしてきたぞ。多くを望みすぎですかね?
昨日まこっちゃんにカリスマ性が不足してるって書いたけれど、改めて考えるとこれも脚本の問題も大きい。
阿弖流為が「死ぬときは俺が一番最初だ!」「みんな俺についてこい!!」とかぐいぐいいっちゃうせりふや、誰もがリーダーと認めるエピソードが必要だったかも。
でもね、もしこれがちえちゃんだったら、脚本の力を借りなくてもみんな無条件についていくだろうなって思うと、やっぱりこっちゃんにはまだ吸引力が足りないってどうしても思ってしまいます。瀬央っちが良かっただけになおさらね。
すっごくがんばってるのも、今の宝塚でこっちゃん以上に阿弖流為の役が合う人がいないこともわかってるんですよ。
あれだけのパワーと運動量。並の人にはつとまらない。
でも、でも・・・。
やっぱりいまのこっちゃんでは物足りないんです。
まこっちゃんに柚希礼音さんをを超える男役になってほしい!と願ってもいいですよね。