最近は、生の舞台は観ていないけれど、スカステ放送を見て、これいいな!と思える作品に出会える機会が増えてきている気がします。『金色の砂漠』もそのひとつ。
めっちゃ良い作品ですね。ちっとも知らなかった。
まずプロローグが人物紹介のようでわかりやすく、スッと話に入っていけました。それにやっぱり王室物ってしっくりくる。なんとなく安心して観られると思いませんか?
プロローグの次の明日海りおさんの弾き語り、素敵ですね。シンプルな衣装が良く似合う。
前半、これってもしや『春琴抄』?って思ったけれど、ギィは完全に尽くす男ではなかった。表面は従っていても、実は反発心が強い。愛する女性を屈服させたいなんてひねくれた役、みりおちゃんにぴったり!!みりおちゃん以上に似合う人いないんじゃないかな。
『春の雪』の松枝清顕といい、『ポーの一族』のエドガーといい、どうも正統派の王子様より、ひねくれたり、すねたり、いじけたり、周りにいるとめんどくさそうな男子が似合いますよね。後半の黒い盗賊の衣装をまとって悪い表情をしている姿もぴったりでした。
ポーを観たときにも思ったけれど、みりおちゃんてすっごくバランスがいいんですよね。美しくて、歌えて、線の細さや身長の感じも、個性にぴったり。あと3センチ背が高ければなあ・・なんて思わない。今のみりおちゃんのバランスが絶妙。そしてど真ん中優等生の白い王子様じゃなく、こういう陰のある感じが似合うのがまたちょうどいい。ど真ん中ストレートだとつまらない男役さんで終わってしまってたと思う。
一方で芹香斗亜さんは白い役が似合う。語り部、よかったですね。見た目のままのいい人で、愛する女性のためだけに生きる。これまた素敵です。
そしてそして、美しき柚香光さん。れいちゃんは、豪華な衣装が映える。横になっているときの姿、ひざまずく姿も美しい。造形美って感じです。役としては、前半はきちんと物の道理がわかるいい人だったのに、最後はつまらない男で終わっちゃいましたね。
ラストシーンちょっと手前の砂漠の場面、二人の姿がとっても綺麗でした。タルハーミネを見つけて抱きしめるみりおちゃんが素敵。あ~、いい作品だったなあって思えるラスト。さすがは上田久美子先生。
続くフィナーレもデュエットダンスがお芝居の延長のようになっていて、みりおちゃんが花乃まりあさんに向けるやさしい表情が印象的でした。良いコンビだったんですね。男役スターさんが、相手役を愛情あふれるまなざしで見つめる図、好きだなあ。観ていると嬉しくなりますよね。
ところでロケットのセンターって仙名彩世さんですよね。娘役さんがあのポジションって最近じゃ珍しい。「時期トップです!よろしく」ってところかしら。
本当は全く興味がなかったのだけれど、友人が「観ろ!」って言うし、ちょうど花組公演を観たところでもあったのでためしに観てみたらヒットでした。こりゃ、今年は観ずぎらいと言わず、いろいろ観てみないとな。生の舞台全部はとてもじゃないけれどお金が続かないので、今年もスカイステージで楽しませてもらいます!!あとで『雪華抄』も観てみようっと。