今日は小説の感想の方です。
「ヒア・カムズ・ザ・サン」、有川浩の小説です。
たった7行のあらすじだけが決まっていて、有川浩と成井豊がそれぞれに物語をつくるというコラボレーション企画。
導入からいきなり惹きこまれます。
成井豊ということは当然「キャラメルボックス」ですね。
高校演劇をやっていた時代に成井豊さんの脚本は良く活用させていただきました。
なつかしいなあ。
有川版 ヒア・カムズ・ザ・サン
先日ご紹介した本の主人公は、人の死が見える。
今読んでいる小説の主人公は、宇宙からやってきた(?)一家。
そして、ヒア・カムズ・ザ・サンの主人公は物に触れると、人の心が見える。
偶然なんですが、普通の人と違うパターンの話が続いています。
不思議なことにこういうことってよくあるんですよね。
有川浩が書いたヒア・カムズ・ザ・サンは、短いながらもギュッと内容が詰まったストーリー。
登場人物がみんないい人で、読んでいて気持ちがいい。
物に触れるだけで、その人の強い想いが伝わってくるって便利でいいな。
なんでもかんでも見えてしまうとちょっとつらいけど、強い想いだけが見えるっていうのがポイントですね。
物語の中心が主人公の古川ではなく、同僚のカオルとその父親の話というのがまた面白い。
だからこそ、特殊能力を持っていることが全面に強く押し出されてこず、ちょうど良いスパイスになっています。
そしてこの小説には、「ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel」が後半に収録されています。
こちらは、舞台版を受けて、新たに書かれたもの。
そう説明が書いてあるにもかかわらず、前半の「ヒア・カムズ・ザ・サン」の続きを読んでいるような感じもあり、でも途中から話が変わってきてちょっと混乱。
私は前半のほうが好きだったかな。
成井豊版はどんなストーリー展開だったんでしょうね。