宝塚のトップに必要なものは、実力というよりは「他の人にはない何か」があること、そして何よりも大切なことは「運」だと思います。
最近特に求められるようになった、飛びぬけて歌える、飛びぬけて踊れるという技術面の素晴らしさだけじゃなく、紅ちゃんのような今までに例のない、唯一無二のキャラクターというのもその「何か」に当てはまると思います。
とにかく美しい、スタイルが良い、なぜか人を惹きつける魅力がある、どんなに舞台の端っこにいても目立つ、などなどの特別な「何か」。
組や時代、他組とのバランスなど、そのときによって求められるものは異なる。
一方トップ娘役さんについては男役ほどハードルが高くなくて、一番大切なことは「トップさんに似合う、合わせられる」ということでしょう。
加えて、男役も女役も、トップになれる一番強い要素はなんといっても「運」だろうと思います。
過去30年、どうしてこの人がトップになれないの??という人をたくさん見てきました。
同じようなタイプでもなれる人となれない人がいる。
そこはやっぱり運。
劇団に入団した学年だったり、タイミングだったり、時代だったり。
めぐりあわせですね。
有沙瞳ちゃんが今回こっちゃんの相手役に選ばれなかったのは、やはり、こっちゃんとのバランスが問題だったのだろうと思います。
くらっちの容姿が悪いわけでも、何が出来ないわけでもなく、実力のある素晴らしい娘さんであることは間違いない。
これだけ2番手として扱われてきたのに、ここではしごをはずされるのは納得いかない!!と思うのもわかる。
私も、彼女のサイドの立ち位置で考えると、「どうして?」って思う。
ただ、こっちゃんとくらっちが組むと、なんとなく落ち着きすぎちゃう気がしちゃうんです。
無難で面白みに欠けるコンビになってしまいそう。
それはこっちゃんのファンも劇団も、何よりこっちゃん自身が望まない自分の姿なのではないかなあと。
組替えまでしてきたのにどうして??って思うけれど、順調に力を伸ばして、立場を上げてきてたからこそ、こんなにたくさんのファンに惜しまれる存在にまで成長したわけで、「どうしてトップじゃないの??」とたくさんの人に言ってもらえるって本当にすごいなあって思います。
劇団もまだまだ可能性を感じているからこそ、ずっと良いポジションを与え続けているのでしょう。
もし星組ではなく月組に組替えになっていたら、たまきちの相手役、いや、月城さんの相手役として最適な娘役さんなような気がするのに、惜しいなあ。
そういうところがやっぱり、運と縁なんだろうなって思います。
今からでも組替えしてトップになれたらいいのにな。っていうかまだその望みを捨てる必要はない!!
轟さんの相手役をやるとトップになれるというジンクスもあるんだし、宝塚の、特に娘役さんの人事は本当に何が起こるかわからない。
理不尽なことも、やきもきさせられることもいっぱいあって、心が穏やかでいられないのはやっぱりいやですね。
みんなが納得できて平和で幸せな道があればいいのにな。