宝塚歌劇 雪組

雪組『壬生義士伝』当日券で観てきました!!

投稿日:2019年6月13日 更新日:

地味だ・・
たまらなく地味だ・・・


地味なトップさんが地味な役をやるとさらに地味になる。

作品についての感想

この作品、主役は斎藤一かな。

まず脚本。
石田先生だからここかしこに『誠の群像』臭がする。
まあ仕方ないんですが。

もっと吉村貫一郎の存在をクローズアップさせてほしかったな。
あの長い小説の最初から最後までを90分にうまくまとめたのはすごいと思うけれど、「地獄にいかないのは吉村さんだけ」とか「お前は生き残らなくてはならねえ」とか、そう言われる意味がよくわからない。
南部藩のなかでも、特に剣が上手くて勉強もできる人だということや、慕われる人柄だという部分が欠けてた。
お金に汚いエピソードばかり。
家族自慢ももっとあってもよかったかもな。
あれじゃ、斎藤さんが一番良い人に見える。

吉村貫一郎にとっての「義」とか、「信念」とか、そういうものがもっと見えてくると、最後の藩邸での場面が生きてくるのになあ。
そう、その貫一郎の最後のところ、劇場が泣いているのかと思うくらいいたるところで泣き声が聞こえてきました。

う~ん。

小説の方がずっと壮絶だったから、私はこれでは泣けないなあ。

貫一郎が亡くなったあと、息子の嘉一郎が秋田戦争に志願するところ。
原作的にあそこははずして欲しくなかったから、ちゃんと描かれていたのはよかったけれど、なんか中途半端。
もし私が演出家なら、明治の鹿鳴館の人々の場面をやめて、語りを嘉一郎と大野千秋にさせて、小説通りの感情設定にして、最後嘉一郎が戦地に赴く流れにしたけどな。
宝塚においては、娘役に場面を作る必要があるから、どうしてもこうなっちゃったんでしょうね。

大劇場じゃなく、ドラマシティあたりで、ほぼ男役で公演すればよかったのにな。
小さい劇場でしっかりお芝居する方が作品的にも向いてると思うけど。

前にも書いたけれど、浅田次郎さんの原作が「ここで泣け!!」と訴えてくるような、狙ってる感が強い小説であるのに対し、今回の宝塚の舞台版はそういう劇的なものがない。
もっとシンプルに切なくて、味がある。

けど、この場合はもっと派手にやってしまっても良かった気がする。
それではだいもんらしさがなくなっちゃうかな。

なんといえばいいのかなあ。
やっぱ「宝塚歌劇を観た」っていう満足感が不足してるのかも。

ちなみに火曜日の15時公演、開演10分前でも、チケットが数枚残っていました。
あまりお金を出したいとは思えない席だったけれど。

私自身は8時前に並んで結構良い席をとりました!!
当日券、面倒だけれど事前に予定を立てなくて良い気楽さはあるかな。

キャストそれぞれの感想と、ショーの感想は改めて書きます。

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