感想は・・・一言でいうと、もったいない。
あんまりおもしろくない。
でも、2回目はもう観たくない!と思わない不思議。
原作本はめっちゃ面白いです。
以前から原作のファンで、シリーズ最新のまだ文庫本になっていない「兵諫」以外は全部持っていて、今回の観劇に当たり再読。
今回の雪組さんの舞台「蒼穹の昴」は、原作物「にありがちな、「世界観が壊れた!」とか「イメージ違いすぎる」ということは全くなく、その点は良かったです。セリフもそのまま使っているところも結構あったし。
ただ、そこを大事にし過ぎて、宝塚の舞台にするにあたって話を面白く書く、トップを中心に物語を演出するという点がちょっと足りなかったのかも。
幕開きは良かったです。
華やかで、久しぶりに宝塚らしい豪華絢爛なコスチュームものの舞台が観れるのか!とワクワク。
今思い返してみると、せっかくだからオープニングに、ちょっとしたショーのようなプロローグがあってもよかったな。
ストーリーについてはネタバレになるので触れませんが、様々な出来事が、過程を省いて結果だけを見せる構成になっているので、原作読んでない人にはこの一つ一つのエピソードの面白さが伝わらないだろうし、そもそも話自体がよくわからないまま終わるのではないかと思います。過程こそが面白いのに、もったいない!!
原作4巻の中にはいくつかの山場、見せ場があって、一つでも多く取り入れたいのはわかります。
歴史を語るうえで欠かせないというのもわかる。
でも、そのすべてがトップ、2番手たちにかかわるエピソードというわけではない。
宝塚というスターシステムからすると、省いてもよかったんじゃないかなあと思うもしくは、脚本家の腕で、主役の梁文秀を各エピソードに深くかかわらせるとか、そういう仕掛けが必要だったのではないかと。
主要人物が多すぎて、いろんな人に見せ場がある。それ自体は悪いことではないのかもしれないけれど、その分内容が浅くなるし、梁文秀が目立たなくなる。
あー、もったいない。
もう一つ気になったのが、いろいろ盛り込む割に、テンポが遅い。
もっとテンポよく進めたら、過程の部分も描けたんじゃないかな。
なんかず~っと平たんで、盛り上がらない。
原作に忠実(変えてるところもあるけれど)だからこそ、もっと面白くできただろうにと、素人ながらに思ってしまうので、もったいない、もったいない!しか出てこない。
なんかね、演出がイマドキじゃないというのか、なんかダサい。
音楽も、何が主題歌だったっけ?どんな曲だったっけ?っていうのが最後までわからない。
最初は華やかだったし、フィナーレも、男役の大階段から登場するところの衣装が素敵!!って思ったし(踊りはいまいちだったけど)、よくなりそうな要素がたっぷりあるのに、なんかこれじゃない感があってすっきりしない。
そんな風に私は感じました。
原田先生がんばってー!!!