1月3日、花組公演を観劇してきました。
「うたかたの恋」、30年前、麻路さき様のあたたかくやさしく包容力抜群のルドルフにキュンキュンしまくっていた中高生時代の私。
作品への思い入れが強すぎて、今回観劇はやめておこうと思っていたのに、れいちゃんのポスターに一目ぼれして、友会申し込んじゃいました。
以下、そんな私の、オールドファンのたわごとです。
今回のうたかたはとてもリアルなうたかたでした。
夢の世界の王子様麻路ルドルフに対し、生身の生きた人間柚香ルドルフ。
これは作品全体にいえることで、装置も衣装もその他の人物も、以前はみんな夢の世界の作り物だっのが、今回はものすごくリアル。
重厚な装置は本当のウイーンの宮殿に近いかもしれないけれど、暗く重い。衣装も同じ。生っぽい。
最近は宝塚の衣装は全体的にそういう傾向があって、私はどうしてもそれが好きになれない。
漫画チックな夢物語のうたかたの恋が観たい。
たとえば星風まどかちゃんのメイク。地肌の色をもっと明るく夢のお姫様的な雰囲気にしてほしかったなあ。
今回のうたかたは、ずーっと陰鬱で、重苦しくて楽しくない。
柚香ルドルフは、神経質で繊細で、ピリピリした空気が漂う。
麻路ルドルフは、前半はそういう一面もあるものの、マリーと出会って愛に目覚め、陰を背負ってはいても、いつもみんなの輪の中心にいる。つかのまを十分に生きたっていう生の輝きみたいな面があった。
子供の頃に猫を殺すルドルフ、エリザベートの気質を受け継いでいるルドルフ。育った環境からも、実在の彼はきっと、柚香さんの解釈が正解。
宝塚ファンがこの時代のハプスブルクの歴史に詳しくなりすぎて、古いうたかたのままでは納得できなくなってる部分もあると思うし。
でも!柴田先生の描くうたかたの恋のルドルフはそうじやなかった。
もちろん変わって良いんだけど、私が求めていたのはこれじゃなかった!!
れいちゃんって結構包容力が高いから、麻路ルドフル的なルドルフを勝手に期待して観に行った私が悪いのだろう。
それはわかってるけど、令和版、小柳版はこれでいいのだろうと思うけれど、好みとして、私はどうしても今回のうたかたの恋が受け入れられない。
全体的にはセリフも振付もだいたい同じで、なくなったもの、追加されたものはあるものの、そんなにストーリーが大きく変わったわけではないのに、私には全く違うものに見えた。
もはや、マイヤーリンク事件を題材にした全く別の作品ではないかと。
いっそ新たに作り直してくれてもよかったのに。
帰ってから麻路ルドルフを見直したけれど、やっぱり「私の大好きな、大好きなルドルフ」はまりこさんのルドルフ。
もうこれは変えられないし、変えたくもない。
柚香ファンは、れいちゃんのルドルフが一番で、これが今のうたかたで、それでいいのだろうけど、なんかさみしいな。